この記事は月刊少年ガンガン2022年1月号に掲載の「黄泉のツガイ」の第一話「アサとユル」だけを読んで面白かったので妄想を広げている記事です。
基本的に考察ではなく「荒川先生サイコー!」と呟く記事となります。
中盤から1話ネタバレを含みますのでご注意ください。
ダークファンタジーの巨頭とも言える「鋼の錬金術師」の作者、荒川弘先生による月刊少年ガンガンで完全新作の連載がスタートしました。
鋼の錬金術師以降、銀の匙(連載終了)やアルスラーン戦記、エッセイ漫画である百姓貴族などを連載。
途中、ご家族の看病などがあり連載が停滞する時期もありましたが、満を辞して鋼の錬金術師と同じ月刊少年ガンガンで連載をスタートされることとなりました。
銀の匙はある種のラブコメ、アルスラーン戦記は原作ありだったということで、ダークファンタジー系の完全新作に多少なり不安もありましたが1話を見てそれは完全に杞憂だったと思わされました。
めちゃくちゃ面白いのでこの思いを記事にすることにしました。
あらすじ
まだ1話なのであまり詳しくは書かないでおきます。
とりあえず冒頭10ページは公式がツイッターに公開してくれています。
何か掟がある下に生まれたユルとアサの兄妹、それを守る村からスタートする和風ダークファンタージといった印象です。
このあとは思いっきりネタバレしますけどね。
見どころは読者を混乱させる展開と時代設定
和風ダークファンタジーと書いたものの、2話目以降の舞台が全く読めないのが黄泉のツガイです
狩りをして村へ帰ってくる主人公が、「お務めしてる妹アサ」に会い、村の人々と日常の取り止めのないやりとりをしたと思ったら次の瞬間にはヘリが出てきて上空では飛行機が飛んでいます。
「結界が破られた」らしい。
特殊部隊のような面々が村人を襲い、「え!?実は現実なの?」と思ったところで場にそぐわないパーカー姿の軽いノリの女の子が登場。
ここでハガレンのグラトニーさながらの謎の「がぶー」で、村人を食い散らかします。
1話後半で実体も見えますがほんとホムンクルスを連想させる何かです。
一方で主人公の元には妹アサを名乗る眼帯の少女が現れ、「お務めしてる妹アサ」を攻撃します。
そのお務めアサからはこれまたホムンクルス的な影が伸びもう一人のアサに襲い掛かります。
そうこうしてるうちに旅商人的な人物デラさんの指示で主人公は自身の「ツガイ」を呼び出して1話終了。
もうね、わけわからないですよ。あっという間の1話でした。
緩急の作り方に荒川イズムを感じる
冒頭の「まずいことが起きてしまった」ことを思わせるところからの日常パートはハガレンと重なりつつもまぁ、少年漫画としての王道といったところ。
ただ、登場人物の掛け合いに荒川先生らしさがあって実家に帰ってきたような安心感がありますね。
ちょっとしたところでキレて怒鳴り合うのはほんと荒川先生って感じです。
シリアスな場面でもテンポ崩すことなくコミカルな掛け合いを入れるところもさすがといった感じです。
「ゴミで穴が塞がってる!!」
「普段からちゃんと左右様ん周り掃除しとけ!!ほじくれ!!」
捗る妄想
1話の情報量が多いだけに今後の展開が気になるしいろいろ妄想が捗ります。
タイトルにおけるツガイ
ラストからわかるように異形の者、かつ2対1セットの者が「ツガイ」と呼ばれる存在のようですね。
ユルのツガイは風神雷神っぽい雰囲気がありますね。
敵陣(仮)のガブちゃんは1体しかツガイを持ってない風ですが、ガブちゃん自身が「二人とも」と表現してるので歯みたいなのも上下が分かれてるというのが自然な受け取り方でしょう。
二人のアサ
1話における最大の謎は二人のアサですね。
お務めをする牢の中のアサ、と突如現れた眼帯のアサ。
ユルがそれまで妹思っていた牢のアサは殺される(?)も影となって眼帯アサに襲い掛かります。
キーマンの一人であるデラさんが「アサが来た」と語ってることから、牢のアサはユルを村に縛り付けておくためのダミーのアサで、本来のアサは村の掟により排斥されたものと考えるのが妥当な展開でしょうか。
日常パートにおける牢アサの笑顔にもどこか闇がありますしね。
ただ、そうなると牢アサは何なのかという疑問が出てくるので、眼帯アサの失った片目から造られた「人造ツガイ」みたいな者だったりするとワクワクしてきますし「悪趣味」のセリフにも深みがでてきますよね。
舞台は現代日本?
和風アドベンチャーかと思ったらヘリとか出てきて、さらに日常パートの会話中で「下界で病気が流行ってて景気が悪い」ことが語られてるので「コロナか?コロナなのか!?」とか勘繰ってます。
2話以降で普通に現代社会に紛れる展開になってもおかしくない。
デラさん、死なないでくれ・・・
旅商人的ポジションのデラさんは色々知ってる側の人間なんですよね。
封印のことを知っていて下界とも往復してる。
ケータイを普通に操り、ケータイが通じることが「やばい」と発言。
結界によって現代技術から完全遮断してたのでしょう。
で、ガブちゃんのツガイ(仮)も見えているものの実力的にはあくまで普通の人としては強いくらいの様子。
これ、ハガレンにおけるヒューズさんと重ねてしまうのですよね。
残念ですが、デラさん死にますね。
主人公を支える頼りになるイケオジって主人公の心をへし折るために殺される運命なんですよ。
きっと。辛い。
ガブちゃんブームきっとくるな
1話中で出てくる謎の力を持った自称「ガブちゃん」。
表情を変えることなく、がぶーがぶーと村の人たちを惨殺していきます。
子供は殺さないところに妙な怖さを感じます。でもオタク的に絶対人気でる感じしかしません。
完全に妄想ですが、ガブガブしてるからガブちゃん、と見せかけてガブリエルだったりして敵陣が天使の名を冠してたら厨二心がくすぐられるのでガブちゃんガブリエル説を提唱しておきます。
ハズれてもそれはそれで面白い。
荒川先生は物語内での時代考証などは気にするけど、名前は「なんかかっこいいから」で命名されるタイプなので、ガブちゃん実はガブリエル説は無くもないと思うのですよ。
村は何を守っていて敵対組織は何なのか
1話だけだと超展開についていくのがやっとで、ぜんっぜんわからないですね。
一応、村側が正義、襲撃者側の組織が敵と考えるの普通ですが、ハガレンにおける軍中枢が敵だった的な展開も十分あり得りえます。
ガブちゃんパーカーの背中のバツ印が敵対組織のマークだったりするんですかね。
結論、めっちゃ面白い
これは2話で失速することもほぼないでしょう。
現時点で単行本購入確定です。荒川先生、これからの展開を楽しみにしています!
2022/1/13追記)1話は公式サイトで読めるようになってます。
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