クイズ系YouTuberの動画を好きでよく見るのですが、ときどき生成AI系のクイズ企画が出るのですよね。初期は生成結果のチープさを楽しむ部分もあった気がしますが、最近になる程、精度の高い回答が得られる変遷が見られます。今回は、QuizKnockおよびカプリティオチャンネルの企画を中心に振り返ってみます。
- QK – 東大生3人と大喜利AIが究極の騙し合いバトル!! 2018/02/07
- カプリティオ – 大喜利AIの回答 クイズ王なら当てられる説 2020/07/04
- カプリティオ – AIに早押しクイズを作らせたら衝撃の事態に……【AIのべりすと】 2021/12/29
- QK – 【AIvs東大生】AIが作ったクイズ、東大生なら解けるのか?2022/01/16
- カプリティオ – AIが考えたウミガメのスープの問題がヤバすぎたwww 2022/01/19
- QK – 言葉の足し算をするAI、クイズ王なら理解できるのか? 2022/01/29
- カプリティオ – 【AIも参戦】ウソ選択肢で騙し合え!!【たほいや】2022/02/28
- オモコロ – AIが描いたイラストからお題を当てろ!AI絵画クイズ!2022/08/19
- QK – AIが名作の続きを勝手に書いちゃった!この小説は何?2022/09/28
- オモコロ – AIが描いた美少女の正体を当てろ!重ね塗りクイズ!!2022/12/16
- QK -【これ何の続き?】AIが描いた絵画の周りクイズ! 2023/02/13
- カプリティオ – AIになぞなぞ出したら面白すぎたwwww 2023/04/03
- オモコロ – AIに「かめはめ波」を説明して絵を描かせろ!AI指示出し王 2023/12/22
- QK – ChatGPTで作ったお題で大喜利してみた 2024/01/07
- カプリティオ – AIに「ベタ問の冒頭」だけ聞かせたら何と答えるのか?2024/02/28
- QK – 東大卒ならChatGPTの理解度を完全に把握してクイズ出せるはず 2024/03/10
- QK – スコア日本一のクイズAI襲来!クイズ王ならAIより早く答えられるのか!?【人類vsAI】2024/04/19
- QK – ChatGPTにクイズ出してもらった【なんかおかしい】 2024/4/29
- エンタメからわかる生成AIの進化
QK – 東大生3人と大喜利AIが究極の騙し合いバトル!! 2018/02/07
大喜利AI「大喜利β」というAIを使った企画です。
大喜利の答えにAIが考えたものを混ぜ、その中からAIの回答を当てるという たほいや(たほいやとは、辞書から選んだ単語について、辞書にある本来の説明文(語意)と参加者がでっち上げた偽の説明文(語意)を混ぜ、そこから辞書にある説明文(語意)を当てるゲーム。:出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)形式の企画です。
生成AIという括りに入るものかわからないですが、こんなころからAI企画があったのですね。
カプリティオ – 大喜利AIの回答 クイズ王なら当てられる説 2020/07/04
今度はカプリティオ。こちらでは大喜利人工知能アカウントというものを利用しています。今はカプリティオをやめてQuizKnockの裏方となった石野さんの企画です。
カプリティオ – AIに早押しクイズを作らせたら衝撃の事態に……【AIのべりすと】 2021/12/29
わずか2年前ですが、ChatGPTなどが登場する前の時代の企画。
国内の文書生成AI市場で一時話題になった「AIのべりすと」にクイズを出させるというものです。
AIのべりすとは話題になった頃にある程度使いましたが、ハルシネーションというどころでないくらい長文を書かせた際に内容が破綻することが多く、生成AI黎明期のツールといった印象が強いです。確かオンプレ環境で運営されていて、クラファンで資金調達をしていたような記憶があります。
QK – 【AIvs東大生】AIが作ったクイズ、東大生なら解けるのか?2022/01/16
QuizKnockもAIのべりすとを使った企画をしています。カプリティオ側はクイズの形に整えているのに対し、QK側はAIのべりすとの生成文書をありのまま活用して両者の企画方針の差が伺えます。
余談としては、山上さんがAI”の”べりすと”と勘違いするところが面白いです。
カプリティオ – AIが考えたウミガメのスープの問題がヤバすぎたwww 2022/01/19
AIのべりすとに論理思考パズル「ウミガメのスープ」の問題を考えさせるという企画です。補足としておくと、カプリティオはカードゲーム「ウミガメのスープ」の作問に関わっており、チャンネル上でもウミガメのスープの企画を行っています。AIのべりすとのとんでもない問題に振り回される企画です。
QK – 言葉の足し算をするAI、クイズ王なら理解できるのか? 2022/01/29
word2vecを使った言葉の加算減算をして答えを導こうというものでした。
聞き慣れないワードではありますが、文章をベクトル化するという考え方は今のRAGでも活かされていますね。
カプリティオ – 【AIも参戦】ウソ選択肢で騙し合え!!【たほいや】2022/02/28
たほいやのタイトルバージョンにAIのべりすとを参加させるというもの。
オモコロ – AIが描いたイラストからお題を当てろ!AI絵画クイズ!2022/08/19
ウェブメディアオモコロのYouTubeチャンネルでもAIクイズ企画をやっています。AIに絵を書かせて元のお題を当てるというもの。時期的にはDALL-E2かStableDiffusionでしょうか。オモコロはクイズ系YouTuberではないのではという疑問は一旦置いておきます。
ちなみにクイズ企画以外でもオモコロは生成AIに台本を書かせるなどの企画をやっていますし、ダ・ヴィンチ・恐山はAIのべりすとのコンテスト審査員をしているなど地味にAIとの繋がりは強いです。
QK – AIが名作の続きを勝手に書いちゃった!この小説は何?2022/09/28
再びAIのべりすと企画。小説の書き出しを元に続きを書かせて元の作品を当てるという企画でした。AIのべりすとは、こういったネット上の企画とは相性が良い感じでしたね。
このクイズ企画内でも文中に登場しない人物が出てきたりしてプレイヤーを混乱させています。
オモコロ – AIが描いた美少女の正体を当てろ!重ね塗りクイズ!!2022/12/16
画像変換系のAIを利用したクイズ企画です。美少女イラスト系の画像を学習したモデルを利用しているのかな。当時はこういったAIが主流でしたね。生成後の画像から元の画像を当てるという企画でした。
2022年は局所的でありながら「AIのべりすと」が国内市場を騒がせた1年でした。小説特化ということやその精度から大きな話題にはなりませんでしたが一つ生成AI業界の可能性を感じさせる年となりました。
しかし、同年11月にChatGPTがリリース。年末年始にかけて大きな話題となっていきます。
QK -【これ何の続き?】AIが描いた絵画の周りクイズ! 2023/02/13
DALL-Eで画像の書き足しさせ、その書き足しから元の絵を答えようという企画。
一世代前の画像生成では、画風の変換や類似画像の生成程度のことしかできませんでしたが、近年の画像生成の精度向上によりできるようになった企画ですね。
カプリティオ – AIになぞなぞ出したら面白すぎたwwww 2023/04/03
AIチャットくん、最近はあまり話題に上がることがないですがChatGPTブームの中で登場したおそらくGPT-3.5のAPIを組み込んだチャットボット。誤答から正しい問題、回答を導き出すものです。
オモコロ – AIに「かめはめ波」を説明して絵を描かせろ!AI指示出し王 2023/12/22
挑戦者が与えられた絵を描かせる指示文を考えAIに指示。生成された絵をみて解答者は元のお題を与えるという企画。そこまで考えていないと思いますが、プロンプトの最適化を学べるゲームと言っても良いですね。
生成AI界隈としてはChatGPTで賑わった2023年でしたが、意外にもクイズチャンネルとしてはおとなしい1年でした。
QK – ChatGPTで作ったお題で大喜利してみた 2024/01/07
ChatGPTに大喜利お題を出させるというもの。
カプリティオ – AIに「ベタ問の冒頭」だけ聞かせたら何と答えるのか?2024/02/28
ChatGPTにベタ問の冒頭だけ聞かせ、その回答から元の問題を導き正しい回答を答えるというちょっと難解なルールのもの。形としては「AIになぞなぞ出したら面白すぎたwwww 」とほぼ同型の企画ですね。LLMのハルシネーションをうまく活かした企画だと言えますね。
QK – 東大卒ならChatGPTの理解度を完全に把握してクイズ出せるはず 2024/03/10
ボタンを押したところまで読まれた問題文からChatGPTに答えさせるという企画。
プレイヤーはボタンを押すことしか制御できずないという一風変わったもの。一つ前のカプリティオの企画に近いものはありますが、生成AIならではのクイズ企画として仕上がっていますね。
QK – スコア日本一のクイズAI襲来!クイズ王ならAIより早く答えられるのか!?【人類vsAI】2024/04/19
クイズ王がクイズAIに挑戦する企画。
こちらは生成AIではなくクイズに特化AIを利用したものなので番外編的な紹介です。とはいえ答えを導くロジックはLLMの構造に非常に似ており、面白かったです。
QK – ChatGPTにクイズ出してもらった【なんかおかしい】 2024/4/29
ChatGPTにボード問題を出させようという会議中の方の企画。
QKは貯めどりしたものを突然出すこともあるので撮影時期わからないですが、最近のものになるとだいぶ精度は上がっている印象を受けますね。
エンタメからわかる生成AIの進化
その瞬間その瞬間では、その時に話題となった生成AIを使っている動画でしかないですが、時系列で見るとAIの精度や機能に合わせた企画をされていることに気づきます。そろそろ不完全さを楽しむ企画というのは無くなっていくと思います。
しかし、この時期に得られたエンタメ性というのは魅力的なものでしたので、いずれこの時のAIというのが再注目される時期が来ることを楽しみにしたいと思います。
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