仙台に住んで20年弱。
内15年くらいは同じ家に暮らしているので、2011年の時も同じ仙台の地で迎えてました。
1km圏内に津波の水が来てたくらいには大変だったはずなんですが、実害はインフラが止まったことと余震にビクビクしてた事くらいしかありませんでした。
仕事が休みになったのと、余震に怯えるのが嫌だったのもあって自転車で実家のある秋田まで行くことにしたんです。
という過去に書いた280kmを旅する日記の再編集版です。
当事者だから書ける呑気な思い出話。
旅に出る前
3月の震災直後は食料の確保をしつつ、早々に電気が復旧した会社でネットをみたり給湯室でシャンプーをしたりと意外と不便のない生活を送ってました。
4月に入る頃には会社も一部人員は正式に休業扱いとなり、僕は長い春休みをもらう格好になりました。
ふと旅に出ることにした
4月12日、仕事が休みとはいえ余震が嫌。
あと、時間がたっぷりあるなら趣味の自転車で出かけてしまおうと思い、急遽、仙台〜秋田(実家)の旅にでることにしました。
記憶があいまいなのですが、過去の記録によるとテントやら寝袋をわざわざ調達したらしいです。震災から1ヶ月しかたってないのにも関わらず。
当時乗っていたドッペルギャンガーのクロスバイク。
リアキャリアに寝袋やテントを積み、それ以外のものはリュックに詰め込みました。
リュックには着替えやパソコンなどが詰まっています。
初日は山形の船形へ
プランはあって無いようなものなのですが、山形の天童・新庄・酒田を通って秋田へ向かうコースを想定していました。
初日のうちに酒田の方まで抜けたいと思ってたのですが、山からの風がすごい強い。
8時台に出たにも関わらず県境に着く時点で12時過ぎ。
今考えれば、自転車+荷物で総重量30kgくらいあったはずなので無理もないですね。
ノープランゆえです。
でもノープランによる問題はこのレベルでは済みませんでした。
村山のあたりですかね・・・
なんだか宮城に比べて白いんですよね。
一方の仙台↓
これはテント泊どころじゃ無いなって思いました。
思ったんですけどね、テント試したいって思ってしまったんです。
結局、船形でテント泊しました。すごく寒かったです。
※キャンプ場以外での宿泊は止めましょう。
シングルウォールのソロテントと普通の寝袋でよく死ななかったと思います。
気温を確認したのは翌朝のこと。数字を見てたら心が負けてました。
2日目は秋田のにかほへ
霧の中の朝日を見ながら沿岸を目指す2日目です。
改めて書いておきますが、震災から1ヶ月とちょっとの出来事です。
被災者の方々が大変な中、一応の被災者が自転車旅するという自由すぎる旅。80kmほど走りました。
余裕がないのに旅感を味わいたくて清水城跡なんて場所に寄ってみたりもしましたが、雪しかなかったです。山形の4月はまだ冬なのだと思い知らされました。
霧が濃いし。それでも幸いだったのは道路に雪がなかったことですね。
すごくギリギリの綱渡りのような旅だったと今更ながらに思います。
最上川に沿って沿岸部を目指します。
日本海側に近づいて行くと徐々に気温も上がってきて、平野部に出るころには雪もすっかりなくなりました。風車!
風車があるということは風もあるということで、また強風の洗礼を受けることになりました。
二日目の行程はとにかく「風が強かった」記憶しかありません。
田んぼばかりで風を防ぐものがなかったのですよね。
一応、コンビニで朝食を買ったり、道の駅でカツカレーを食べたりしたらしいです。
この日のゴールはにかほ市の三崎公園キャンプ場。14時頃に到着。
1日目ですごく疲れたので2日目はここでゴールとしました。
居着いてる猫の3兄弟が最高に可愛いキャンプ場でした。
すごく人懐っこい子たちでした。
宿泊者はほぼいませんでしたが、ちゃんと営業はしており受付した上でテント泊しました。
管理人さんのご好意で夜にカレー、朝におにぎりをご馳走になりました。
テント泊に慣れてなかったので、誰もいないキャンプ場で波の音だけが聞こえる状況はちょっと寂しかったです。
ひたすら秋田市を目指すだけの3日目
秋田の実家に到着した日です。
管理人さんに挨拶をした上で出発。3日目も80kmほど走りました。
ひたすら7号線を北上。3日間で唯一追い風の行程でした。14時頃には実家に到着。
余裕のある日だったと思うんですが、気持ち的に疲れてたのかどこにも寄らずにひたすら家を目指してましたね。写真もほとんどありません。
秋田ではGW明けまでのんびり
秋田は仙台ほど揺れることもなく、のんびりとした生活を送ってました。
秋田駅前の本屋に意味もなく通ったり、同じく駅の近くにある千秋公園へ足を運んだり、友達と軽くツーリングにでかけたり。
震災がなければ得られなかったスローライフの日々でした。
この時間が資産運用を開始するきっかけも作ってくれました。暇な時間ってとても大切。
いつかこんな日々を再び手にしたいです。
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